呼吸の音も
雨が追いつくした
さえずりのない朝に
昨日のうちに
君をスケッチして
そのすべてを
書き残せたら
朝が弱い僕の
耳元でそっとさえずってよ
おはようって起こしておくれ
ああ
笑わないでいいでしょ
泣いていたっていいでしょ
返事もしないまま君は
飛び去っていく
今日も包んでよ
痛いほど感じてよ
ほらねもう一回もう一回
遊ぼう
この手のひらで
寝かしつけられるほど
大きくなったよ
僕は
初めて君が
指をつついて
できた傷は
どこへやったかな
まだ君を
探しているんだよ
おかえりって言わせておくれ
ねえ、今日だけは
笑わないでいいでしょ
泣いていたっていいでしょ
大事にするからお願い
行かないでよ
何もできなくて
頼りなくてごめんね
また泣きそうだ
ごめんね
僕には
羽がないや
行ってしまうんだね
さえずりは響かずに
夜が明けた